半世紀の間注がれ続けた、温かいまなざし
10月28日掲載
今回お届けする『ごろりん ごろん ころろろろ』、ご覧いただいた方はお気づきかと思いますが、この作品は
『どうぞのいす』の続編ともいえる絵本です。
登場人物もはたらきもののうさぎさんと、ろばさん、きつねさん、くまさん、そしてじっぴきのりすさんたち。
読むたびにほのぼのと温かい気持ちになれる『どうぞのいす』と『ごろりん ごろん ころろろろ』。その作者、香山美子さんが童謡の作詞なども手がけられる多才な方であることは、以前ご紹介いたしました。
童話作家、香山さんのデビューは大学在学中。ある新聞主催の懸賞童話に応募、入選されたところから始まります。ほどなく、戦後児童文学にひとつの時代を築いた同人誌『麦』を創刊。1963年、『あり子の記』(理論社)により、第3回日本児童文学者協会賞を受賞されます。これは、香山さん、作『ピカドン』の丸木俊さん、絵。家族と反目する悩み多い十代の少女、あり子の複雑な心を描いた児童文学の傑作で、のちに、日活で映画化もされました。ちなみに、第2回の同賞は、あの『キューポラのある街』です。
香山さんの活躍の舞台は、どんどんひろがります。1958年ごろから、ラジオ・テレビの「おねえさんといっしょ」「おかあさんといっしょ」など、幼児番組を手がけ、童謡の作詞もこのころから始められます。1975年には、「げんこつやまのたぬきさん」により、ゴールデン・ディスク賞も受賞されました。
最近では、小学校の国語の教科書にもとりあげられ、話題となった『はじめは「や!」』(鈴木出版/1997年)など、約半世紀にわたって、絵本、童話、童謡の世界で活躍を続けられる香山さん。
その、生きとし生けるもの全てに対する温かいまなざしに溢れる世界を、親子で感じてください。
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