150冊以上の絵本を手がけ、その深く透明感溢れる絵に熱心なファンも多い葉祥明さん。葉さんはまた、環境、戦争、平和など、さまざまなテーマについてのメッセージを、「絵本」というかたちでわたしたちに伝えてくれる語り部でもあります。『ジェイクと海のなかまたち』も、そんな葉さんの環境に対するメッセージを伝える絵本のひとつです。
今回ご紹介する『あの夏の日』は、長崎市の協力のもと、1945年8月9日の長崎への原子爆弾の投下と、それによって引き起こされた惨禍を描いた1冊です。
葉さんの透明感溢れる絵だからこそ伝わる、原子爆弾の悲惨さと平和への切なる願い。敗戦の翌年に熊本に生まれ、1986年のチェルノブイリ原発事故をきっかけに、さまざまなメッセージを絵本に託されるようになった葉さんにとって、長崎、そして原子爆弾は、決して避けて通れないテーマだったのではないでしょうか。
毎日、わたしたちはさまざまなメディアを通して、世界各地で起こる争いを見続けています。人と人が互いに傷つけ合うことが、どんなに愚かなことか、考える暇もなく・・・。テレビから流れる戦争の映像を、ゲーム感覚で捉える子どもも少なくないといいます。
『あの夏の日』のハイパー絵本化にあたり、葉さんは、こんなメッセージをお寄せくださいました。
「50年前の戦争と原子爆弾の恐ろしさ、悲惨さ、そして平和の大切さ。今の子どもたちにとって、実際には触れることのできない世界を、このハイパー絵本を通してひとりでも多くの子どもたちに知って欲しいと思います。例えば、小学校で見せるとかね。このメディアは、そういう活用のしかたもあるんじゃないかな」
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