おはなし絵本クラブ
絵本に関わる人。モノ。コト。千木良悠子が突撃インタビュー! このサイトのご利用方法 入会はこちらから よくあるご質問
おはなし絵本クラブ > 絵本情報 > もっと聞きたい >

柴田淳さん

サイトマップ
ボーダー
角
もっと聞きたい


第4回・柴田淳さんに聞きたい

わがまま放題、好き放題、車に轢かれて天国に行ってもおならで神様を怒らせて帰ってくる『わがままブーちゃん』の作者・柴田淳さんは、ふだんはおしゃれな作風で知られるグラフィック・デザイナー。インタビューの場所も、おしゃれな目黒のレストランでした。
わがままブーちゃん わがままブーちゃん
シバタジュン/絵と文
おはなし絵本クラブオリジナル

千木良:まずは経歴についてお聞きしたいのですが。

柴田:美術大学のグラフィック・デザイン科を出て、しばらく広告代理店で働いた後、サイトウマコト事務所にアシスタント・ディレクターとして所属していました。30歳になったのをきっかけに独立。フリーのデザイナーやコピーライターの仲間5、6人で代官山に事務所を借りて、わいわい机を並べて仕事をしてました。徹夜明けで全員でファミレスに行ったり、夜中の1時2時に同時に仕事を終えて飲みにいったり……独立したてのわりには忙しかったですね。

初めは広告主体だったのですが、今は本の装丁がいちばん多いです。あとはCDジャケット、会社のロゴ・マークとか。装丁は仕事の流れがシンプルで、デザイナーが思ったことが現実になる度合いが大きいですね。ノンフィクション、純文学、エンターテイメントと幅広い内容の仕事ができるのも魅力です。


千木良:「ブーちゃん」を作ることになったきっかけは?

柴田:今までやった事のないジャンルに挑戦してみようと思った、と言っておこうかな。図書館に行って、子供の絵本のコーナーで張った(!)んです。子供とお母さんのやりとりを見たり、どんな絵本が好きなのかな、とリサーチしました。 ブーちゃんのキャラクターを考えるにあたって、スーパーヒーロー的なものや、可愛いだけのキャラクターはやめて、子供たちが自分を投影できるようなものにしようと思った。そうこうしているうちにワガママでちょっと憎たらしいけど素直なところもあって、憎めないヤツというキャラが浮かんできました。

普通のグラフィック・デザインの仕事の場合、自分のやりたいこと、消費者の欲しいもの、それからクライアントの意向――と大きく分けて3つの欲望がせめぎあうけれども、『ブーちゃん』に関しては、子供に楽しんでもらうということを第一に考えました。あと一応人生の先輩として、大切なことはお説教っぽくない形で伝えたかった。

千木良:わがままブーちゃんに対し、お母さんブタが「どんなに好き勝手できても、ひとりぼっちじゃつまらないわよ」と諭すシーン、私も身につまされました。

柴田:幸せの尺度ってなんなんだろう、と考えたとき、他者との関わりの中じゃないと本当の満足感や幸せは得られないんじゃないかなというのが、物語の大きなテーマとしてあります。ブーちゃんが一回死んじゃうというのも賛否両論だったんですけど、死というのは世の中にあるものだし、全編ファンタジーとして完結するんじゃなくて、リアルな世界もポンと入れこんであげるのは意味深いことじゃないかと思って。
デザインの仕事で僕を知ってる人にとっては、ブーちゃんは意外な仕事だと思います。おならとか、ちょっとお下品な要素も、子供がストレートに面白いと思う観点で考えていきました。


千木良:発想が、男の子的というか、スラプスティックに満ちていて楽しいですよね。「おはなし絵本クラブ」の中でも大人気の『わがままブーちゃん』ですが、二作め、三作めがもう大体できているという噂が……。

柴田:はい。一作めは最初だし、盛りだくさんの内容だったのですが、二作目からは友情編、クリスマス編とテーマに即して続けていきます!

千木良:本日はありがとうございました。


ダンディでおしゃれな雰囲気の柴田さんですが、どこかにわがままブーちゃんの面影が……。つっこむと、「似てる?」と笑ってらっしゃいました。来月には『わがままブーちゃん友情編』がアップされる模様です。


角 角
  Profile  
柴田淳
■学歴
1984 多摩美術大学デザイン科グラフィックデザイン専攻卒業
■職歴
1984(株)博報堂クリエイティブセンター第二制作室入社
1986(株)サイトウマコトデザイン室入社
1989 同社退社後独立 柴田淳デザイン室主宰 現在に至る
広告全般・音楽・ファッション・映画・出版など多種多様なジャンルでのトータルな企画・ディレクション・デザインを行っている。
■主なクライアント
東芝EMI・ワーナーミュージック・シリコングラフィックス・ソフトバンク・バレンチノガラバーニ・ジャンポールゴルチエ・角川書店・新潮社・光文社・扶桑社・ザジフィルムス・伊勢丹・VIVRE
■受賞・入賞歴
1984 第5回NAAC展東京アートディレクターズクラブ部門特選
1985 第52回毎日広告デザイン賞(部門賞)
1985 消費者のためになった広告コンクール雑誌広告優秀賞
1989 ラハティ国際ポスタービエンナーレ
1991 デザインフォーラム'91銅賞
1994 ワルシャワポスタービエンナーレ3点
1994 第4回世界ポスタートリエンナーレトヤマ
1997 URBANART#6 1997 佳作
2000 第6回ポスタートリエンナーレトヤマ
2001 造本装幀コンクール展 日本印刷産業連合会会長賞

■日本グラフィックデザイナー協会/日本図書設計家協会会員

 
角 角

角 角
  千木良悠子 千木良悠子   1978年東京生まれ、慶応義塾大学卒。作家として小説「猫殺しマギー」(産業編集センター)を出版しているほか女優や映画監督としても活動。現在「おはなし絵本クラブ」にてウェブ絵本を製作中。
角 角


もっと聞きたいTOPページへ